『自己を見つめるデザイン』
引っ越し後に残るモノ私は小さい頃、
工作などをとても好きでした。
と、言っても、
比較対象がないため、何と比べて好きだったのか、
絶対的指標がないため、どの程度好きだったのか、
説明するのは困難ですが。
例えば、
紙があれば正方形にして折り紙をし、
割り箸があれば輪ゴムピストルをつくり、
ダンボールがあれば小さな家をつくり、
空き地に材木置き場があれば秘密基地をつくり・・・
今考えてみれば、あの頃の方が
余程自由に創作活動を行っていました。
別に自由があった、ということではなく、
何も考えずに、
本当にただつくりたくてつくっていました。
逆に言えば、何も考えていなかったから、
身体が動いていたのかも知れません。
そんな私にとって、
転勤族、というのは
ちょっと嬉しいことでもありました。
勿論慣れ親しんだ場所を離れ、
友達とも会えなくなるのは寂しいことでしたが、
引っ越し後に出る大量のダンボールは、
私にとっては絶好の遊び道具だったと、
記憶しています。
大きめのダンボールを選び、
それを家と仮定します。
中に2階をつくり、
ドアを開け、
窓を開け、
家具をつくり、
そして、
豆電球の照明を入れる。
自分が入るサイズの家をつくるのは、
当時のサイズでも困難でしたが、
何とかやっていました。