あいまい、という表現について。 それぞれの漢字について、解字を見てみます。 「曖」 ・意味:くらい(くらし)。日が雲に包まれてくらいさま。はっきりけじめがつかない。 ・解字:会意兼形声。旡(カイ)・(キ)は、胸がいっぱいに詰まってのけぞったさま。 愛はそれに心と夂(あし)を加え、胸が詰まって足もそぞろに進みかねる意を示す。 曖は「日+音符愛」で、日が雲にはばまれて進みかねること。 「曖」は同義語に「靉(アイ)」があるとのこと。 見たことあるかな?と思う漢字です。調べてみると、 靉は「雲が行きかねて止まる」という意味で、 同義語に「靄(アイ)」があるとのこと。 こちらも調べてみると「 雲やかすみがたちさりかねてたなびくさま 」 堂々巡りのようにも見えますが、 要は、自然現象によって見えにくくなっている状態のようです。 丁度出てきたので、「愛」の字も見てみます。 「愛」 解字:会意兼形声。旡(カイ)・(キ)とは、人が胸を詰まらせて後ろにのけぞったさま。 愛は「心+夂(足をひきずる)+音符旡」で、 心がせつなく詰まって、足もそぞろに進まないさま。 こちらはある意味、わかりやすく、そのままの印象です。 「旡」は珍しい漢字ですので、こちらも見てみます。 「旡」 解字: 象形。腹がいっぱいになって、ため息をつくさまを描いたもの。 この字形は、欠(腹がへってしぼむ)と反対である。 のち、ごちそうを示す部分をそえて、既とも書く。 現代の日本では用いない漢字ですし、 ちょっと印象とは違っていました。 他方、「昧」の方についても同様にします。 「昧」 解字:会意兼形声。未(ミ)・(ヒ゛)は、小さくて見えにくいこずえのこと。 昧は「日+音符未」。 「未」 象形。木のまだのびきらない部分を描いたもので、まだ…していないの意をあらわす。 こちらは素直にわかりやすい印象を受けます。 この二つの漢字から曖昧となりますが、 愛と雲のあたりはもう少し細かく見ていきたくなりました。