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光が溢れる

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光が「こぼ」れる、と書いたところ、 光が「あふ」れる、でも同じように読める漢字に変換されました。 光の回折は、理科の授業で習います。 光は対象にぶつかると回り込んでいくんだよ、と教わるわけですが、 この写真はまさに、それそのものを表現しています。 研究室のすぐ隣にある階段室です。 ふと見上げた時の様子が綺麗だったので、 ピンホールカメラ で撮ってみました。 実際は汚れていたり、古くなったりとで、 綺麗、というわけではありませんが(掃除はよくされています)、 こうしてみると、そういった情報は失われていきます。 情報とは何なのか、と考えさせられます。

桜桃

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「さくらんぼ」は漢字では、 「桜桃」や「桜ん坊」、「桜実」のように書くそうです。 その中でも私としては、 中谷宇吉郎が「雪」の中で書いていた、 「桜桃」が一番意に沿っているように感じます。 「桃」は、 中国では昔から、仙木になる仙果と考えられており、 神聖化された食べ物とのことです。 そこまですごいのか、どうかはわかりませんが、 小さい頃の私達にとっては、 6月、7月の間だけ食べることができる、ある意味神聖な食べ物でした。 一人暮らしをした時に、初めてその価格を知り、 本当にびっくりしたものです。

倉敷の方を車で走っていると、不思議な地名が出てきました。 「扇の嵶」 読めない。。。 調べてみるとどうやら「おぎのたわ」と読むようです。 家に帰り、いつもの漢字源で見てみると次のように載っていました。 「嵶」 訓読み:たお, たわ 意味:たお。たわ。地名に使う。 え?これだけ??? という情報量です。 確かに地名に使われていましたが、 逆にいえばそれ以外では使われないようです。 しかも、どうやらこちらの地名でのみ、使われているようで、 そういった、特定の場所だけで使用されている漢字は、 いくつかあるようです。 気が付いた時にでも、ちょこちょこと調べてみようと思いました。

会話の中で、「零」と「zero」の話になり、 調べてみてびっくりです。 解字 会意兼形声。令は、清らかなお告げのことで、清らかで冷たい意を含む。 零は「雨+音符令」で、清らかなしずくのこと。 また「雨+○印三つ(水玉)」とも書く(靈の上部と同じ)。 小さな水玉のことから、小さい意となった。 漢字の「零」は、インドで発見された、 所謂「zero」では、なかったんですね。 無ではなく、 微小であること。 ものすごい違いです。

「うきくさ」と読むそうです。 たまたま目にしたので、メモしていました。 早速漢字源で見てみると、次のような解字です。 会意兼形声。平は屮型のうきくさが、水面にたいらに浮かんだ姿。 萍は「艸+水+音符平」で、平のもとの意味をあらわす。 考えてみると、「平」という漢字、 なぜこれで「たいら」なのだろうか??と考えさせられます。 「平」 象形。浮き草が水面にたいらに浮かんだ姿を描いたもの。萍(ヘイ)(うきくさ)の原字。 また、下から上昇する息が、一線の平面につかえた姿ともいう。 モノが平な状態であることを示すために、 水面を表現するのではなく、 水面に浮かんだモノで表す、という考えは、 象形ではありつつも、隠喩的な表現になっており、 深いと感じました。

ネットでたまたま「罠」という漢字を見たのですが、 「目が横になったものの下に民?なんでだろう?」と思い確認してみました。 そんな何気ない気持ちだったのですが、 「え?!」という結果が。 「罠」 会意兼形声。「网(あみ)+音符民(見えない、目の見えない人)」。 「网」 象形。両わきの支柱の間に、×型にあみをはったさまを描いたもの。のち音符亡を加えて罔の字となった。罔や網の原字。 网は象形といことからも、確かにアミに似ているので、 まぁ、そういうものかと感じましたが、 問題(?)は民の方でした。 「民」 象形。ひとみのない目を針で刺すさまを描いたもので、目を針で突いて目を見えなくした奴隷をあらわす。のち、目の見えない人のように物のわからない多くの人々、支配下におかれる人々の意となる。また、人と結合して、「民人」「人民」と称する。 人民という言葉がそんな意味でつくられていたなんて、 と驚かされると主に、 民主党って、どういうことよ。 自民党って、どういうことよ。 という疑問が湧いてきました。 因みに「目」の形との組み合わせとしてこちらも載せておきます。 「眠」 会意兼形声。民は、目を↑型の針で突いくさま。もと逃亡を防ぐため、目を見えなくした奴隷のこと。眠は「目+音符民」で、民の原義を残した字。目がみえない状態となってねむること。瞑(目が見えない)はその語尾が転じた語。 「瞑」 会意兼形声。「目+音符冥(メイ)(おおわれてくらい)」で、目をふさぐの意。

地名

沖縄の地名は読めない、という話を聞いたことがありました。 実際に行ってみての感想としては、、、 ・勢理客 じっちゃく ・南風原 はえばる ・具志頭 ぐしちゃん 確かに読めない地名はあるようです。 ただ、これまで日本の色々なところに住んできた経験から考えてみると、 どの場所でも、地名に関しては読めないことが多い、と言えそうです。 ・各務ヶ原:愛知県 ・飯豊  :山形県 ・枚方  :大阪府 ・日生  :岡山県 ・開発  :福井県 ・松任  :石川県 などなど。 もちろんご存知の方からすれば、 当たり前に読めるものばかりですが、 初めて見て、これが正しく読める人はいないと思います。 常用漢字の読み方ではないわけですから、 当たり前と言えば当たり前です。 そういう意味では、 沖縄であれ、どこであれ、読めないものは読めない、 と言えると感じました。

† 挺 †

ある本を読んでいると、 「挺」という漢字が出てきました。 振り仮名があったため、読めたのですが、 「ぬきんで(る)」と読むそうです。 これまで見た記憶はないのですが、 少なくともそのままでは読めませんでした。 ただ、良い漢字だな、と感じたため、載せておきます。 「挺」 会意兼形声。 廷の右側の部分は、直立した人のすねが伸びたことを示す指事文字。 壬(ジン)とは別字。 廷(テイ)は、まっすぐ進む、まっすぐにならした庭などの意。 挺は「手+音符廷」で、まっすぐ前進して列の前にぬけ出ること。 解字も綺麗にまとめられた内容でした。

† think †

昨日、英語の調べ物をしていた時に、 目的とは違うのですが、あるページを見てメモしたことがありました。 thinkを「思う」と捉えた場合には、 状態動詞であり、進行形を取ることはできないが、 thinkを「考える」と捉えた場合には、 動作動詞であり、進行形を取ることができる。 日本語、特に、漢字として考えた場合には、 「思う」と「考える」は全く違う言葉です。 もちろん、英語にも、日本語のそれぞれの意味に当たる言葉はありますが、 ニュアンスを伝える、ということは難しいことなんだな、と、 改めて考えさせられました。

† 令達 †

今日のブログの画面は、 まともに表示できない人もいるかも知れません。 昨日見た「令」を含んだ漢字を並べてみました。 自分では表示できない文字もあるため、 漢字の辞典系のサイトにお世話になっています。 令 伶 冷 囹 拎 怜 苓 柃 玲 昤 朎 瓴  竛 秢 聆 蛉 翎 笭 羚 衑 舲 旍 軨 詅  閝 鈴 零 領 澪 魿 鴒 嶺 齢 䙥 齡 䴇  炩 㬡 矝 㾉 紷 䎆 䯍 袊 唥 铃 彾 駖  㡵 㲆 䌢 蕶 䠲 䴫 刢 岭 霗 鹷 燯 㯪  砱 䉁 䕘 䳥 坽 泠 㩕 皊 㸳 䍅 䨧 呤  邻 岺 领 龄 狑 㱓 䉖 跉 姈 阾 鸰 UTF-8で表示していますが、 それでは出せない文字もあるようですので、 実際はもう少しありそうですが、 今回表示できたものでも83文字有ります。 正直、8割りは見たことがありません。 それでも漢字は存在していて、 自分は日本語を話せると思っていて。 (一部は日本語ではなさそうですが) 言葉の奥深さを感じます。

† 令 †

自身への覚書として、 いつもの漢字源の解釈をまとめておきます。 「令」 会意。「△印(おおいの下に集めることを示す)+人のひざまずく姿」で、人々を集めて、神や君主の宣告を伝えるさまをあらわす。清く美しいの意を含む。もと、こうごうしい神のお告げのこと。転じて長上のいいつけのこと。 この解字から考えさせられたのは、最後の一文です。 「転じて長上のいいつけのこと」 長上のいいつけは、清く美しいものである。 今、40歳を過ぎ、平均年齢を考えると、丁度半分の位置にいます。 自分の言葉はこれから年齢的には「長上のことば」に成っていきます。 果たして、清く美しいモノと言えるものであるかどうか、 自分自身に刺さる言葉でした。

† 纏・纒 †

Macで変換されるから使える漢字、というものが、 恥ずかしながらいくつかあります。 「まとめる・纏める」もその一つです。 小さい文字だともはや識別できません。 纏 例によって、調べてみます。 「纏・纒」 ・音:テン[漢], デン[呉](平)先(仙), (去)霰(線) ・訓:まとう, まつわる, まとい ・解字:会意兼形声。「糸+音符廛(テン)(ある所にへばりつく)」。ひもや布を一か所にへばりつくようにまきつけること。 「廛」 ・音:テン[漢], デン[呉](平)先(仙) ・訓:やしき, みせ ・解字: 会意。「广(いえ)+里+八印(わける)+土」で、村里や町の中で、一軒ずつに区切ってわけた土地にたてた家を示す。平らにならした宅地のこと。 まとめる、という意味をそこまで深く考えたことはありませんでしたが、 こうして見てみると、 まとめるということは、 「場所」が重要なのだと理解できます。 必要な場所を設けて、 そこに紐で縛り付けることがまとめることなのだ、と理解できました。

† 目を瞑る †

「瞑」という漢字があります。 昨日、たまたま打った中にあった文字なのですが、 「あ、つぶるってこう書くのか」と感じたため、メモしていました。 ただ目を閉じる行為のことですが、 それに「冥界」の冥の字を冠した言葉が付くなんて、とちょっと驚きました。 折角なので「瞑」を見てみると、、、 と思って調べてみると、漢字源の方には 「つぶ(む)る」という読みがないことに気がつきました。 「つぶる」と「つむる」の話もありますが、まずは漢字の方から考えます。 元々の漢字の読みにはなく、意味として、 「 目を閉じてなにも見えないさま。 」とあることから、 つぶ(む)る、という読みが与えられたのかな、と感じます。 因みに解字はこうなっていました。 ・解字:会意兼形声。「目+音符冥(メイ)(おおわれてくらい)」で、目をふさぐの意。 「 冥 」 ・解字:会意。「冖(おおう)+日(ひ)+六(入の字の変形)」で、日がはいり、何かにおおわれて光のないことを示す。また、冖(ヘ゛キ)(おおう)はその入声(つまり音)にあたるから、冖を音符と考えてもよい。 意味としては、冥界や冥府と並ぶ感は理解できますが、 それにしても、つぶる、という言葉の漢字に当てるほどなのか、 と、ちょっとした違和感も覚えました。

† 曖昧 †

あいまい、という表現について。 それぞれの漢字について、解字を見てみます。 「曖」 ・意味:くらい(くらし)。日が雲に包まれてくらいさま。はっきりけじめがつかない。 ・解字:会意兼形声。旡(カイ)・(キ)は、胸がいっぱいに詰まってのけぞったさま。 愛はそれに心と夂(あし)を加え、胸が詰まって足もそぞろに進みかねる意を示す。 曖は「日+音符愛」で、日が雲にはばまれて進みかねること。 「曖」は同義語に「靉(アイ)」があるとのこと。 見たことあるかな?と思う漢字です。調べてみると、 靉は「雲が行きかねて止まる」という意味で、 同義語に「靄(アイ)」があるとのこと。 こちらも調べてみると「 雲やかすみがたちさりかねてたなびくさま 」 堂々巡りのようにも見えますが、 要は、自然現象によって見えにくくなっている状態のようです。 丁度出てきたので、「愛」の字も見てみます。 「愛」 解字:会意兼形声。旡(カイ)・(キ)とは、人が胸を詰まらせて後ろにのけぞったさま。 愛は「心+夂(足をひきずる)+音符旡」で、 心がせつなく詰まって、足もそぞろに進まないさま。 こちらはある意味、わかりやすく、そのままの印象です。 「旡」は珍しい漢字ですので、こちらも見てみます。 「旡」 解字: 象形。腹がいっぱいになって、ため息をつくさまを描いたもの。 この字形は、欠(腹がへってしぼむ)と反対である。 のち、ごちそうを示す部分をそえて、既とも書く。 現代の日本では用いない漢字ですし、 ちょっと印象とは違っていました。 他方、「昧」の方についても同様にします。 「昧」 解字:会意兼形声。未(ミ)・(ヒ゛)は、小さくて見えにくいこずえのこと。 昧は「日+音符未」。 「未」 象形。木のまだのびきらない部分を描いたもので、まだ…していないの意をあらわす。 こちらは素直にわかりやすい印象を受けます。 この二つの漢字から曖昧となりますが、 愛と雲のあたりはもう少し細かく見ていきたくなりました。

† 懇ろ †

画材を買いに地下鉄に乗っていると、 吊り広告に次の言葉が出ていました。 「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府」 この言葉については別で取り上げるとして、 これに関連して、別府温泉の宣伝が続き、 その中に一節がありました。 聖書から「旅人を懇ろにせよ」 帰って調べてみると、 聖書のヘブル人への手紙の13:2からの引用とのことです。 "Do not forget to entertain strangers, for by so doing some people have entertained angels without knowing it." 「旅人をもてなすことを忘れてはならない。 このようにして、ある人々は、気づかないで御使たちをもてなした。」 これを「旅人を懇ろにせよ」とまとめる力、すごいと感じました。 漢字が持つ力、とも言えると感じます。 「懇」 解字 会意兼形声。上部の字(音コン)は深くしるしをつける意を含む。 懇はそれを音符とし、心を加えた字で、心をこめて深く念をおすこと。

† 穿 †

「穿」 「貫」 「串」 「川」 これらは同系の漢字、という表記を見ました。 一見すると上の二つは、なんとなくそうなのだろう、と感じます。 三つ目の串にしても、役割を考えれば違和感はありません。 ただ、最後の「川」に関しては思わず「え??」と声が出ていました。 それと同時に、今まで調べたことも考えたこともなかったことに気づきました。 漢字源で確認してみると、 「川」には異体字として「巛」があるそうです。 解字を見てみます。 象形。く印は地の間を縫って流れる川の象形。川は、三筋のく印で川の流れを描いたもの。貫(つらぬく)と同系であろう。穿(セン)(つらぬく、うがつ)と最も近い。 漢字の「近さ」というものがどこから来るのか、 部首などの部品によるものが多いのではと考えていましたが、 それだけではないことがわかるとともに、 同系の中にも近さが異なるものがある、という点に非常に興味が湧いてきました。

† こだわる④ †

「こだわる」という言葉の漢字から考えを進めてみた。 「拘る」は広辞苑や漢字源には出て来ないが、ただ、変換には含まれている。 部首について考えるサンプルに丁度良いので、こちらも書き留めてみる。 「拘」  会意兼形声。句は「かぎ型+勹(つつむ)」からなり、狭いかぎ型のわくに包まれること。  拘は「手+音符句(ク)」で、狭いわくの中に押しこめること。 「句」  会意。「└型+┐型+口」。かぎ型で小さくかこったことば、  つまり、ひと区切りの文句を示す。区別の区(狭いわく)と縁の近いことば。 「手」  象形。五本の指のある手首を描いたもの。 「勹」  象形。人が前に物を抱きかかえ、からだをまるく曲げて包んだ姿を描いたもの。  また、手や膜で物を包んだ姿と考えてもよい。包・抱・胞などの原字。 「口」  象形。人間のくちやあなを描いたもの。 意外なほど、漢字の構成が綺麗に整理できた。 素材としては全て象形からなっており、 それが段階的に象形→会意→会意兼形成と拡大していく。 改めて、「拘」の意味は下記である。 ①とらえる。せまいわく内にとらえて自由にさせない。かかえこむ。 ②かかわる。とらわれる。せまいわくに縛られる。なずむ。「拘泥」 ここから勝手に発想してみると、 「勹」が最も中心的な意味として、 何かを包み、外から隔絶させることを指し示し、 「口」によって、より明確に区切り、 「手」によって、押し込める、という意味が形成されたと考えられる。

† こだわる③ †

「泥」「尼」「怩」「昵」「眤」 それぞれを分解してみると次のようになる。 「尼」 ・音 :ニ呉、ジ漢、ネイ呉、デイ漢 ・訓 :あま ・意 :あま、ちかづく、なずむ ・解字:会意。「尸(ひとのからだ)+比(ならぶ)の略体」で、人が相並び親しむ様を示す。 「泥」 ・音 :デイ漢、ナイ呉 ・訓 :どろ ・意 :どろ、ひじ、なずむ ・解字:会意兼形声。「水+音符尼」で、ねちねちとくっつくどろ。 「怩」 ・音 :ジ漢、ニ呉 ・意 :はじる ・解字:会意兼形声。「心+音符尼」で、いじけてぐずぐずする柔弱な気持ち。 「昵」 ・音 :ジツ漢、ニチ呉、デイ漢、ネ・ネイ呉 ・意 :ちかづく、なじむ ・解字:会意兼形声。「尼(親しみやすい女性)+音符日」で、そばにくっついて親しむこと。 「眤」 ・音:イ ・意:ちょっとみる。盗みみる。 基本を「尼」と考え、それぞれの漢字を見てみる。 尼だけが会意であり、他の文字は会意と形声であり、 尼は音符とのことだが、尼を一つの漢字として、会意になっていると考えられる、 尼が持つ、親しく接するという意味に、 水、心、日、目がそれぞれの意味で付与されていると考えられる。 これらを踏まえ、「拘」に戻ってまとめてみる。

† こだわる② †

「なずむ」という言葉がある。 「泥む」と書くが、知らない言葉であった。 広辞苑によると次のように意味が出てくる。 ①行きなやむ。はかばかしく進まない。とどこおる。 ②離れずにからみつく。 ③なやみ苦しむ。気分が晴れない。 ④拘泥する。こだわる。 ⑤かかずらわって、そのことに苦心する。 ⑥執着する。思いつめる。惚れる。 ①から③までは、例文は万葉集が出てくることから、 当時から使われていた言葉であることがわかる。 今回問題にしている「こだわる」という意味としては、 徒然草が例文に出てくることから、 鎌倉時代には意味として存在していたことになる。 要は、何らかの考えや思いにつかまり、 物事が進まなくなっている状態を指しているようである。 漢字源で見てみると、 「なずむ」といれるだけで、 5つの漢字が表示された。 「泥」「尼」「怩」「昵」「眤」 「尼」を調べることが近道と感じたため、検索してみると、 解字:会意。「尸(ひとのからだ)+比(ならぶ)の略体」で、人が相並び親しむ様を示す。 もと、人(ニン)(親しみあうひと)と同系。 のち、「あま」の意に専用されたが、尼の原義は昵懇の昵の時に保存された。 いよいよもって、当初の目的通り、 部首について調べていくことが肝要であると感じているが、 まずはこの「こだわる」から展開された言葉について、整理していく。

† こだわる① †

メールの文章を書いていたところ、 「こだわる」という言葉が出てきた。 変換してみると「拘る」という漢字が出てきたので、そのまま送ってみた。 しかし、なんとなく気になり、 辞書で調べてみたところ、 「こだわ・る」とだけあり、漢字が出てこない。 意味は、 ①さわる。さしさわる。さまたげになる。 ②些細なことにとらわれる。拘泥する。 ③些細な点にまで気を配る。思い入れする。 ④故障を言い立てる。なんくせをつける。 とあり、所謂「こだわる」の説明であることは確かである。 ②に「拘泥する」という言葉が出てきているため、 そちらも調べてみると、 こだわること。小さいことに執着して融通がきかないこと。 とあり、まさに「こだわる」ことのようである。 漢字源で調べてみると、驚くべきことがわかった。 こだわる、という読みが一切出てこない。 しかし、意味はほぼ同様の意味である。 ①とらえる。せまいわく内にとらえて自由にさせない。かかえこむ。 ②かかわる。とらわれる。せまいわくに縛られる。なずむ。「拘泥」 このことから、 「拘」は、本来「こだわる」という読みは存在していなかったが、 「拘泥」という言葉が存在したことから、読みが当てられたのではないだろうか。 そうなると泥の方も気になるが、 こちらは「なずむ」という読みが存在する。 そちらも調べてみる。