『命と向き合うデザイン』
「a」のための「a」
しかし、努力は必要なのだと思います。
そして、多分、本当に努力している人は、
その瞬間に「私、今、努力している!」などと、
考えている余裕はないのでしょう。
後から、もしかしたら何十年も経ってから、
「あの時、私は努力をしていたんだな」と、
客観的に見ることはあるのかも知れません。
そして、そう思える現在を獲得しているということは、
結果としてその努力は、
良い結果を生んでいるのだと思います。
では、
「努力したのに報われなかった!」という発想は
どうして発生するのでしょうか。
これは、よく言われることですが、
所謂目的のすり替わりによるものです。
元々「A」というモノをつくるために行っていた、
「a」という手段。
これが、
「a」に集中するあまり、
気がついたら、
「a」のために「a」をすることになっている。
という経験は、
多くの方がお持ちなのではないでしょうか。
目的と手段がすり替わってしまっています。
これが、デザインで発生すると問題です。
というよりも、デザインで発生すると質が悪く、
より一層、デザインへの理解を
遠ざける結果になっていると思います。