『命と向き合うデザイン』
心の置き場所
デザイナーは最前線には立てません。
直接、施術を行えるわけではないのです。
実際に医療機器を用いるのは、
いつも、医療従事者です。
人の命に関わることに、
心が動かされないのであれば、
命に関わるべきではない。
同時に
人の命に関わることに、
心が揺らぐのであれば、
命に関わるべきではない。
デザインも同様だと考えます。
命と如何に真摯に向き合うのか、
それがデザインする資格であると考えます。
デザイナーは、
直接施術に関われない代わりに、
デザインしたモノが直接関わります。
自分がデザインしたモノには、
「分身のようなもの」
「子供のようなもの」
という表現を用います。
デザインしたものを誰かから見られることは、
まるで
「自分の裸を見られているよう」に感じます。
「心中を見透かされているよう」に感じます。
デザインした製品が
施術に用いられるということは、
自分の分身が、
医療従事者と患者の間を取り持って、
闘っていることになるのです。