『命と向き合うデザイン』 

 性能・効能・機能


「機能的なデザイン,デザインとは機能性の追求である」という意識に対して,機能性の質を向上させるための思索.
「性能性・効能性・機能性」についての引用.

●性能性:技術的な解決によって,デザイン解が性能をどこまでデザイン表現として性能表示しているか.これは、性能を表示する数値的・単位的・性質的な能力性とデザインによる造形関係である.

●効能性:元来は薬物の効果についてのみ,その成果能力が表示できる事柄.これは薬物を使用することで,どこまで社会参画が可能であるかということを意味していた.効能とは社会との関係で考えられる効用と効果を示している.従って、デザインの効用と効果が,社会との関係性、存在性という質を設定する能力と考えることができる.

●機能性:性能性と効能性の統合かつ統一的な働き能力である.まず、性能的な能力が社会性との関係において,そのデザインが果たすであろうモノ、あるいはかたちの性能が,どれだけ時代や社会という環境の中で,ユーザーへの使用感と所有間に連結しているかという定義に至る.

機能性の再定義は化=かに対する質=たちのデザイン解=答えである.化・質=か・たち論を打ち立てることになる.デザインは,かたち、見える形あるいは見えない形を造形する営為である.この営為によるかたち論は機能性をもう一度性能性と効用性によって取り組みながら再定義し直すことで,性能・効能・機能への造形化がデザインである,という論理構造そして審査基準の制度を確証するのではないかと考えた.

・グッドデザインアワード・イヤーブック GOOD DESIGN〈2003‐2004〉, 日本産業デザイン振興会, 2004

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