『命と向き合うデザイン』 

 新・細胞シート工学−7




心臓の拍動はその血流を生み出すためのものです。血流は拍動と呼ばれる収縮期と拡張期の連続によって生まれます。収縮期には、心室内の血流が一気に動脈に送り出され、このときに血流が生まれます。そして同時に、心房内には静脈から血液が流入します。次の拡張期には、心房から心室内に血液が流入し、収縮に備えます。この時、動脈に送り出される血流の圧力を一般に血圧と言い、収縮期の血圧を最高血圧、拡張期の血圧を最低血圧と言います。人間の一生を80年とし、平均的な脈拍を毎分70回とすると、心臓は一生のうちに約30億回、拍動することになります。反復動作を行う工業製品として考えれば、現実的な数字とは言えず、品質保証することは極めて困難な回数です。また、機能している状態で外科的な治療を行うことは困難です。一時的に停止し、行われる手術は生体に対して過大な影響を与えるとともに、未だ確実な蘇生の保証はありません。よって、治療はもっぱら薬物による内科的なものが一般的になります。

・南淵 明宏, 心臓は語る, PHP研究所
・小柳 仁, 心臓にいい話, 新潮社
・磯村 正, 治せない心臓はない, 講談社
・長山 雅俊, 心臓が危ない, 祥伝社
・東嶋 和子, よみがえる心臓―人工臓器と再生医療, オーム社
・日本人工臓器学会, 人工臓器は,いま―暮らしのなかにある最先端医療の姿, はる書房

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