2010年9月11日土曜日

『命と向き合うデザイン』 

 新・細胞シート工学−9



心臓を動作させている筋肉は心筋と呼ばれ、構築している細胞は心筋細胞と呼ばれています。心臓は連続的な心筋細胞の緊張と弛緩によって、全体として拍動運動を行っているように観察されます。あらゆる筋肉が、弱い電気信号によって収縮することは以前から知られていましたが、心筋も同様に電気信号によって動作します。ただ、骨格筋などの随意筋とは異なり、全てが不随意筋でできているため、意識化で動作させることはできません。また、他の筋肉が神経繊維によって電気信号を伝達するのに対して、心筋は、特殊心筋によって信号が伝達されます。心筋はこの特殊心筋と普通心筋の2種類が組み合わされてできています。特殊心筋は洞房結節・房室結節・ヒス束などと呼ばれ、大静脈との結合部近くにある洞房結節で発生した約50mA程度の電流が房室結節、ヒス束という順に伝達され、心臓全体が動作します。生まれた瞬間に、一番最初の電気信号がなぜ発生するのかは未だに解明されていません。また、一般的に身体的負荷や精神的負荷を受けると「ドキドキ」という表現で表されるように、拍動数の増加が自分自身はもちろんのこと、客観的にも認識できるようになります。これは電気信号の発生速度が変化することによって、普段は意識されない拍動が体感しやすい状態になったものです。

・南淵 明宏, 心臓は語る, PHP研究所
・小柳 仁, 心臓にいい話, 新潮社
・磯村 正, 治せない心臓はない, 講談社
・長山 雅俊, 心臓が危ない, 祥伝社
・桜井靖久: 医用工学MEの基礎と応用, 共立出版, 1980