2010年9月12日日曜日

『命と向き合うデザイン』 

 新・細胞シート工学−10



筋肉を動作させるための電気信号は神経系を通って各筋肉に伝播されます。神経系は中枢神経と末梢神経に大別されますが、この内、末梢神経とは中枢神経(脳と脊髄)以外の神経系を指し、さらに体性神経系と自律神経系に分類されます。体性神経系は身体の運動や知覚に関する情報のやり取りを行い、自律神経系は意志の支配を受けずに、臓器など身体の環境を維持するために用いられています。心臓は不随意筋であるため、自律神経によってその活動が調整されています。自律神経には自律神経中枢からの信号を伝える交感神経・副交感神経の二つがありますが、心臓は交感神経・副交感神経の両方によって相互に支配された二重支配の状態になっています。主に、交感神経は活動時(昼間)を、副交感神経は安静時(夜間)を管理しています。激しい運動や、精神的な負荷を受けた際に拍動数が変化するのは、この神経系を介して情報が伝達されるためです。伝達された情報は受容体によって受け取られますが、交感神経の受容体にはα受容体とβ受容体の2種類があり、それらはさらにβ1、β2などのように細分化され、受容する情報が異なります。運動などによる拍動数の変化は、交感神経によって届けられた情報がβ受容体によって媒介されて拍動数の増加につながります。β受容体の中でもβ1受容体は、主に拍動数の増加や収縮力の増加を調整しており、総じて拍出量が増大します。

・南淵 明宏, 心臓は語る, PHP研究所
・小柳 仁, 心臓にいい話, 新潮社
・磯村 正, 治せない心臓はない, 講談社
・長山 雅俊, 心臓が危ない, 祥伝社
・桜井靖久: 医用工学MEの基礎と応用, 共立出版, 1980