2010年9月14日火曜日

『命と向き合うデザイン』 

 新・細胞シート工学−12



拡張型心筋症や虚血性心筋症に問わず、末期の重症心不全など、重篤な心疾患に対しては、従来。心臓移植手術と人工心臓埋込術が行われてきました。前者は、他者の心臓を患者に移植する方法であり、心臓の提供者、つまりドナーが必要です。しかし、脳が活動していない状態で、かつ心臓が通常通り活動している状態を生体の死と認めることは未だに難しい問題であり、倫理的な課題が多いのが現実です。また、提供心臓の数そのものが、必要としている患者の数に対して絶対的に少なく、登録を行ってから、実際に移植手術が行われるまでの時間が非常に長期におよんでいます。加えて、心臓そのものが虚血状態(酸素を含んだ血液が不足した状態)に弱い臓器であることも問題です。心臓は、血流を止めて心停止保存液を入れた状態にしてから、移植が行われるまでの時間が4時間を越えると使用できなくなります。この時間は大きくは臓器によって異なり、肝臓は12時間、肺は8時間、腎臓は24時間と言われています。これは、ドナーと患者の搬送距離が影響してくることを意味しています。

・南淵 明宏, 心臓は語る, PHP研究所
・小柳 仁, 心臓にいい話, 新潮社
・磯村 正, 治せない心臓はない, 講談社
・長山 雅俊, 心臓が危ない, 祥伝社
・桜井靖久: 医用工学MEの基礎と応用, 共立出版, 1980