『命と向き合うデザイン』 

 新・デザインについて−2


デザインという言葉の意味は、一般的な日本語の辞書である広辞苑第五版(岩波書店)では、以下のように定義されています。

①下絵。素描。図案。
②意匠計画。生活に必要な製品を製作するにあたり、その材質・機能および美的造形性などの諸要素と、技術・生産・消費面からの各種の要求を検討・調整する総合的造形計画。

日英、何れもおおよそ「計画・企画・設計」と「意匠・装飾・演出」という二つの意味に集約できますが、「意匠・装飾・演出」の意味のみが、単体として用いられることもあるという点は注意しなければいけません。ここでは、あくまでも語源に基づき「計画・企画・設計」と「意匠・装飾・演出」の双方を兼ね備えていることが、デザインにとって必須の要件であると考える立場を取ります。もう一点、留意すべきこととして、日英の辞書による定義では「生産」や「製品」・「消費」といった言葉が共通して用いられています。これは、デザインによって得られる物品は、芸術品や工芸品のような制作行程ではなく、管理・量産を目的とした製造工程を経る「製品」または「商品」である、ということを意味しています。つまり、デザインとは営為を目的とした行為であるといえます。


・川崎和男: デザインのことば「て」, AXIS, 111, 2004
・The Concise Oxford Dictionary - Tenth Edition (Oxford University Press 1999)
・広辞苑第五版(岩波書店)

このブログの人気の投稿

何が違う?

『命と向き合うデザイン』 

 新・デザインについて−4

風で飛ばない秋桜