『命と向き合うデザイン』 

 新・デザインについて−7




産業革命から始まった近代のデザインは、このバウハウスまでの約100年ほどの期間を持って、一つの区切りを向かえたと考えられています。つまり、計画と意匠という双方の意味を持つ営為としてのデザインの基礎が固められたと言えます。そのため、今なお、バウハウス期のデザインはデザイン教育の基礎として用いられています。この歴史からは、産業とデザインの関係が読み取れます。新しい素材や技術・生産方法などが発明・発見された時代に何か新しい製品をつくっていく場合、デザイナーは必然的にそれらの要素を組み合わせ、製品または商品化し、産業として確立させることを求められていた、ということになります。そして、その都度結果を残してきたと言えます。つまり、産業界にとって新しいさまざまな要素・要因は一つの「問題」と言えます。それに対して、デザイナーが「解答」として適切な製品・商品を設計してきたという歴史的事実が存在することになります。

・Alvin Toffler; The Third Wave, Bantam, 1984
・Nikolaus Pevsner; Pioneers of Modern Design, From William Morris to Walter Gropius; Revised and Expanded Edition, Introduction by Richard Weston

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