『自分と向き合うデザイン』

 Portfolio


あなたは誰ですか?
という質問に対して、
明確に答えられる人はどのくらいいるのでしょう。
この場合の明確に答えるとはどういう意味なのでしょう。
大半の人が「私は○○です。」と自分の名前を答えるはずですし、
それは多くの場合、正解です。
しかし、それでは、名前が持っている意味とは何でしょう。

このように考えていくと、行き詰まってしまいます。
名前と個人が結びついている人が少ない故に生じることであり、
identityに関する問題として昔から問われ続けた事柄です。

そういった哲学的な問題ではなく、
実存としての自分自身を考えていると、
もう少しだけ考えやすくなります。

と、その前に、
ちょっとデザインに関することを話しておきますと、
デザインでは自分自身を示す、最も簡単の方法として、
Portfolioを見せる、ということがあります。
Portfolioとは直訳すれば紙ばさみとなるそうですが、
デザインでは
「これまでに作成した自分の作品をまとめたファイル」
のことを指します。
それを一冊(もちろん複数冊でも結構です)見せることによって、
自分が何者であるかを会ったことがない誰かに示すことができます。
逆に言えばportfolioはそういうものになってなければいけません。

例えば就職活動などが顕著なところです。
まずportfolioを先方に送って第一次審査です。
履歴書、ということもできるのかも知れませんが、
resumeというよりもportfolioの方がしっくりくるのは、
その言葉の意味から来ているのでしょうか。

portfolio = portare + foglio = carry + leaf

と思ってちょっと調べてみると、portとfolioに別れ、
それぞれ、carryとleafという意味からできた言葉になるようです。
また、folio自体は今でも使われる単語で、
一度だけ折った紙、という意味のようです。
つまり、運べるバインダーでportfolio、
あまりにもそのままの意味でちょっと残念ですが、
一綴りの持ち運べるファイル一冊で自分を説明できる、
それがデザイナーという言い方もできそうです。

では、今度はもうちょっと科学的に「自分」を説明してみます。

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