『Consilience Design』   

 師弟



先日のブログを読んでくださった方から、
「宮大工・西岡常一」さんの
ドキュメンタリー作品を教えてもらいました。

「鬼に訊け」

まだ見ることができていませんが、
西岡常一さんについて調べてみて、
現代における問題と重なり合うところがありました。

それが、タイトルにもなっている師弟感です。

西岡家は、完全に父子による伝承です。
ご本人が子どもの頃にお祖父様、お父様から習い、
自分も、娘婿さん、お孫さんへと、伝えていく。
現代において、これが如何に難しいことか、
その渦中にいない人でも多分、想像はできると思います。

私が関わらせていただいているいくつかの産地も、
この問題を抱えています。
職業選択の自由、
などという時代錯誤な話しをする気はありませんが、
確かに昔は、父親がやっている仕事を見て、
何となくそういう方向に、心が向いていく、
または、そういうものなのだと、心が納得していく、
ということがあったのではないでしょうか。

現代では、良くも悪くも、
様々な情報を得ることができてしまいます。
以前なら、物理的に目で見ることができうる範囲が、
その人にとっての世界でした。
しかし、もちろん今は違います。
物理的には見えていないところも、
まるで自分の世界であるかのように、
感じることができるようになりました。

そこにある「現実感」「本物感」「迫力」、
そういったものは現代において、
どのように変化しているのでしょう。

モノ、に携わる者として、
そのことはとても重要なことです。

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