『memorandum』
描くこと
自分は、絵を描くのが苦手だ、という思いを抱えて大学に入りました。
普通ならば、苦手なことをやらされれば、嫌になるものですが、
私の場合はちょっと違いました。
苦手なことは苦手なのですが、
改めて、描き方を教えてもらえたり、
そもそも描くということは、どういうことなのか、
ということを考える機会をもらえたことが重要でした。
そうなると、自分が下手だからどうのこうの、ということは、
とても小さなことで、
そんなことは、ただ只管練習するしかない、
ということもわかりました。
何よりも、「描く」ということ、そのものについて、
自分の中で落とし込むことが、とても大切なことでした。
そして、それは教員という立場になったとき、
また別なものに変わっていきました。
つまり、自分が下手、ということは、
一つの武器になったのです。
下手だから見られたくない、
下手だからなかなか描こうとしない、
下手だから・・・
というような、
「描くことが苦手な学生」が、
なぜ、そう感じるのか、
そう感じた時はどうすれば良いのか、
ということの一部が、自分の経験からわかるとういことです。
実は、私は、こういったことの集合でできているのかも知れません。