Method: IMRADとは何か。何がIMRADか。


 文章の構成は各種ありますが、
現在の論文形式として一般化しているのはIMRADと呼ばれている構成です。
これは、Introduction, Method, Result and Discussionの頭文字をとったものであり、
一般的には、これにTitleとConclusionが付いたかたちで論文としての体を成します。
それぞれの項目は次のように説明されます。

① Introduction: What are you studying and why?
② Method: What did you do?
③ Result: What did you find?
④ Discussion: What do your findings mean?
⑤ Conclusion: What have you learned from the study?

何について研究するのか、それはなぜかを述べ(Introduction)、
それをどんな方法で解き明かしたのか(Method)、
その結果はどうだったのか(Result)、
そこから何を考えるのか、何を見つけるのか(Discussion)、
最終的に、その研究から何を学んだのか(Conclusion)。

非常にわかりやすく、論文的である、と感じることはできます。
しかし、一体いつからこの形式が一般化したのか、
ということに疑問を感じました。
逆な言い方をすれば、それを知ることで、
「何がIMRADか」という問いに対する
答えを見つけることができるのでないかと考えます。

ある研究1)によると、
19世紀後半から実験医学の時代になり、
研究論文のスタイルが変化した、とのことです。
20世紀になり、実験的研究が重要視され、
「方法」の部分が独立したことが、
IMRADという形式を産むことになったようです。
1960年代には、ほぼ現在のようなスタイルになった2)
とのことです。
IMRADは確かに実験が記載されるMethodが、
重要な位置を占めています。
この部分からもう少し詳細に見ていきます。

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1) 山崎茂明, 科学論文のスタイルと論文のまとめかた, 薬学図書館, 40(2), 161-166, 1995
2) Robert A. Day, Barbara Gastel, 世界に通じる科学 英語論文の書き方, 執筆・投稿・査読・発表, 美宅成樹訳, 丸善, 2010

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