Method: 文章構成形式の比較検討



世の中にある様々な文章構成の形式を取り上げ、
それぞれの主な特徴を確認し、比較検討します。

一番初めに習う文章(作文)の書き方は、
多くの場合「起承転結」ではないでしょうか。

これは実際には起承転合と言うそうですが、
元々は日本語の文章を書くための構成ではなく、
漢詩、中でも絶句の構成の名称とのことです。
広辞苑 第五版(岩波書店)によれば、
「第1の起句で内容を歌い起こし、
 第2の承句で起句を承け、
 第3の転句で詩意を一転し、
 第4の結句で全体を結ぶ。」とあります。
いつも「承」がわかりにくい、と問題になるものです。
最近では、あまり望ましい文章構成ではない、という話も耳にします。
特に、英語圏などではこの構成は受け入れられにくいようです。

他には、「序破急」というものもよく聞きます。
こちらも同様に辞書で引いてみると次のように記載されています。
「音楽・舞踊などの形式上の3区分。序と破と急。舞楽から出て、能その他の芸能にも用いる。」
序は導入部、破は展開部、急は終結部、となっているようです。
先ほどの起承転結と大きく異なる点は、序破急は海外にも同様の構成があるということです。
それが「三幕構成」や「パラグラフ・ライティング」と呼ばれているものです。
ともに、主には3つの塊で構成されており、いくつかの表現があるようですので、
代表例を示します。
一幕:設定(Set-up):主題・主張の提示
二幕:対立(Confrontation):補足および例示
三幕:解決(Resolution):まとめ

こうして見てみると、極めてシンプルであり、
言ってしまえば当たり前、のようにも見えますが、
その当たり前を書くことが実は難しい、ということでもあります。


さて、これらとは一線を画する形で、
存在しているのが、IMRADという構成になります。
明日はその詳細を確認していきます。


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