† こだわる④ †

「こだわる」という言葉の漢字から考えを進めてみた。
「拘る」は広辞苑や漢字源には出て来ないが、ただ、変換には含まれている。

部首について考えるサンプルに丁度良いので、こちらも書き留めてみる。

「拘」
 会意兼形声。句は「かぎ型+勹(つつむ)」からなり、狭いかぎ型のわくに包まれること。
 拘は「手+音符句(ク)」で、狭いわくの中に押しこめること。
「句」
 会意。「└型+┐型+口」。かぎ型で小さくかこったことば、
 つまり、ひと区切りの文句を示す。区別の区(狭いわく)と縁の近いことば。

「手」
 象形。五本の指のある手首を描いたもの。

「勹」
 象形。人が前に物を抱きかかえ、からだをまるく曲げて包んだ姿を描いたもの。
 また、手や膜で物を包んだ姿と考えてもよい。包・抱・胞などの原字。

「口」
 象形。人間のくちやあなを描いたもの。

意外なほど、漢字の構成が綺麗に整理できた。
素材としては全て象形からなっており、
それが段階的に象形→会意→会意兼形成と拡大していく。

改めて、「拘」の意味は下記である。
①とらえる。せまいわく内にとらえて自由にさせない。かかえこむ。
②かかわる。とらわれる。せまいわくに縛られる。なずむ。「拘泥」

ここから勝手に発想してみると、
「勹」が最も中心的な意味として、
何かを包み、外から隔絶させることを指し示し、
「口」によって、より明確に区切り、
「手」によって、押し込める、という意味が形成されたと考えられる。



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