Method②: 字形の構成分類6種


漢字を、偏や旁という構成で考えていくと、
そもそもの字形の成り立ちについて考えることになります。

現代の漢字に関して言えば、「六書」という分類が一般的です。
広辞苑第五版(岩波書店)には、次のように載っています。

【六書】
 漢字字形の構成および漢字用法に関する6種の別、
 すなわち象形・指事・会意・形声・転注・仮借。

象形文字などはよく聞きますし、会意文字というのも聞いたことがあります。
それぞれを調べてみます。

【象形】
 物の形をかたどって字形とする方法。
 「日」「月」「人」「木」の類。
【指事】
 事柄や数などの抽象的な概念を象徴的に記号化して字形とする方法。
 「一」「二」「上」「下」「本」の類。
【会意】
 漢字を結合し、それらの意味を合わせて書を表す方法。
 「人」と「言」とを合わせて「信」とする類。
【形声】
 漢字を結合し、一方を発音の記号(音符・諧声譜)、他方を意味範疇の記号(義符・意符)に用いて書き表す方法。
 例えば、「可」と「氵」(「水」の略体)とを合わせて「河」とする類。
【転注】
 ある漢字の本来の意義を他の近似した意義に転用すること。字音を変えるのを普通とする。
 「わるい」の意の「悪(アク)」を「憎む」の意(字音「ヲ」)とする類。
【仮借】
 ある語に当てるべき漢字がない場合、本来の意味は違う同音の他の漢字を借りて当てたもの。
 食べ物などを盛る器の「豆(とう)」を「まめ」の意に用いる類。

例が秀逸です。
上部4つはわかりやすいですが、最後の2つはあまりはっきりとしません。
一体、どういう比率で存在するのか確認したところ、
研究されている方がいらっしゃいました1)

常用漢字(2136字)における割合とのことです。
・象形 265字 12.4%
・指事 10字 0.5%
・会意 530字 24.6%
・形声 1312字 61.4%
・仮借 13字 0.6%
・転注 ?文字(定義がハッキリせず不明とのこと)

これによると、形声文字が群を抜いています。
まさに、今回私が部首を用いて考えたいと思っているところに合致していると言えます。

-----
1) 漢字の分類(象形、指事、会意、形声、仮借)と音符  山本康喬

このブログの人気の投稿

何が違う?

『命と向き合うデザイン』 

 新・デザインについて−4

風で飛ばない秋桜