『命と向き合うデザイン』
"形而上と形而下"
道元の教え、 「内面は外見に現れる」 というものは、 形而上 的な考え方です。 「易経」・「周易繋辞上伝」の中に記された、 以下の言葉より、取られたのが始まりです。 形而上者謂之道、形而下者謂之器 形よりして上なる者、之を道と謂い、 形よりして下なる者、之を器と謂う。 この場合、「上」・「下」は、 「以前」・「以降」と考えるそうです。 つまり、 勝手に解釈すると、 「形になる前のモノは道と呼ばれ 形になった後のモノは器と呼ばれる」と、なります。 そこで道元の教え。 内面(形になる前のモノ)で、 思い描いた道は、 やがて、 外見(形になった後のモノ)、つまり、 器となり、見えるようになる。 この「器」という字は、 『漢字源』(学習研究社/藤堂明保)によると、 「「口四つ+犬」で、様々な容器を示す。 犬は種類の多いモノの代表として加えた。」、 とのことなので、 所謂「器が大きい・小さい。」とは異なりますが、 千差万別ある、様々な見え方をする、 という意味合いになるのでしょうか。