『命と向き合うデザイン』
見えない欲望
実際、自分が本当に欲しいものを
わかっている人は、どのくらいいるのでしょうか。
ウォンツの難しさはそこにあります。
「収集することによって、
自分に不足しているものがわかる」、
という言葉があるように、
自分が本当に求めているモノを、
常に言葉にして表現できる人は
少ないのではないでしょうか。
これは、自分が欲しいと思っていたものを
いざ、眼の前に出されると
そこまで欲しくなくなる真理に、
繋がります。
「期待通りのモノ」、では、人は満足できません。
「期待以上のモノ」、で、初めて、
「欲しい!」と思わせることができるのであり、
そこにデザインの存在価値の一部が生まれます。
期待通りのモノをつくるのに、
デザインの力は必要ありません。
それは期待(ニーズ)を集約すれば良いからです。
期待以上(ウォンツ)を実体化するために、
デザインは必要です。