『命と向き合うデザイン』 

 収集


繰り返しになりますが、
「つかい手はウォンツがわかりません。
 そのため、
 ウォンツをつかい手から聞き出すことはできません。」

何かを欲しい、と感じるときは、
多かれ少なかれ誰でもあることだと思います。
では、
「一番欲しいモノは何か」と問われると、
ちょっと話は変わってきます。
「お金」とか、
「いのち」とか、
「友情」とかなんとか。
でももっと具体的に欲しい「モノ」は何か、
と問われると悩むのだと思います。
更に、
「今、実際にないものでもかまいません」、
などと言われたら、
喜ぶ反面「一番」を決める難しさが出てきます。

Jean Baudrillardの
Le Système des objetsによれば、
物は、
「機能から分離され、
 主体に対して相対的になった物が
 所有される」という。
また、
「すべての物は
 用いられることと所有されることという
 二つの機能がある。」とのこと。

収集という行為において、所有とは、
何にも勝る情熱的な行為になるようです。

ここでいう収集家とは、
「シリーズで欠けている物を
 補って行くために物を愛する者」のことです。

これはつまり、
自分が持っていない物は何か、
ということを追い求める行為です。

ウォンツを理解するためには、
まずは、対象が「持っている物」は何か、を、
理解する必要があります。

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